世の中には色々な職業がある。その中で、動物が好きな人が一度は憧れるのが「飼育員」です。
そこで、東京都江戸川区にあり無料で入場できる「江戸川区自然動物園」で20年近く勤めているベテラン飼育員の松丸伸江さんにインタビューしました。
きっかけは獣医を目指した高校の友達
「小さい頃からいろいろ動物を飼っていました。実際に飼育員になろうと思ったのは高校生ぐらいで、同じクラスの友達に獣医になりたい人がいたんです。そのときに動物園の飼育員をやってみたいなと思いました。」と松丸さん。
江戸川区自然動物園の飼育員になるまでの経緯について聞くと「高校を卒業したあとに専門学校へ進学しました。
学校の実習でここの動物園に2週間ぐらい研修し、アルバイトの募集で声をかけていただき、そこから卒業後も飼育員として働くことになりました」と話してくれました。
松丸さんは専門学校時の研修で声をかけられたということですが、一般的に飼育員になるにはどうすればいいのでしょうか。
「大学や専門学校を卒業してから、環境財団で募集していれば応募することができます」資格は特に必要なく、とにかく募集がないと飼育員になるのは難しいとのことです。
飼育員の主な仕事は?
飼育員といえば常に動物と触れ合っていられるイメージですが、他にどんな仕事があるのでしょうか?
「それぞれ担当の動物がいて、私はジェフロイクモザル、ニホンリスを担当しています。まずは動物たちのエサ切りや清掃がメインです。あとはふれあいコーナーをローテーションで担当しています」
ジェフロイクモザルは手足としっぽが長いのが特徴です。また器用な動物でもあり、尻尾で体を支えたり食べ物を掴むこともできます。ニホンリスは冬眠をせず1年中活動しており、危険を察知すると木の枝や幹でじっとしています。主に、朝に活動し、夜は巣で休んでいます。近年、生息地の林が減少して生息数が減っており、中国地方や九州地方では絶滅してしまったと考えられてます。
動物たちが健康でいてくれること
飼育員になって20年近く経つという松丸さん。仕事をしていて良かったと思えることがあるはずです。
「命を預かっている仕事なので動物たちの健康管理にやりがいを感じています。病気にかからないで、健康な状態を保ってくれてると嬉しいです。大変だけど、病気にならないように環境をより良くして動物たちが過ごしやすいように頑張っています」
命を預かることの「責任」
命を預かる仕事をしていると、どうしても避けられないのがお別れのとき。実際にそのときが来たらどうするのか、誰でも気になるところだと思います。
「まずは獣医さんに解剖してもらい、死因を調べてもらいます。その後、引き取ってもらうところがあるので、そこで火葬してもらいます」
毎日動物たちと触れ合えることは一見楽しそうだが、その分責任も伴う。そう考えると、とても大変な仕事です。
そしてこの話を聞いて一つ気になったのが、ご飯を食べるときに意識してしまわないかということです。
「動物園で働いてるからといって、お肉を食べることに抵抗はありません。感謝していただいています。」
ぜひ江戸川区自然動物園へ
入場無料にもかかわらず、約60種類の動物たちに会える江戸川区自然動物園。
プレーリードッグなどは檻がないから至近距離で見ることができるし、モルモットやウサギなどと直に触れ合える「ふれあいコーナー」もあるので子供から大人まで楽しめます。ぜひ、休日に足を運んでもらいたいと思います。もしかしたら松丸さんにも会えるかも!?
取材:藤村昌樹、尾澤慎之介、小西優介、山本ケネット |