小学生のなりたい職業ランキングに毎年上位にランクインする警察官。
警察といえば、テレビドラマで見るような刑事さんや、白バイを乗りこなす交通機動隊、交番の前に立っているお巡りさんが浮かびます。
今回は私たちを一番近い距離で安全を守ってくれているお巡りさんにインタビューしました。
答えてくれたのは、大ヒットマンガ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の舞台となった、亀有駅北口交番に勤務のふたりのお巡りさん。厳格なイメージが強い警察官ですが、とても気さくにお話ししてくれて、終始あたたかい雰囲気の取材現場でした。
はじめに、勤続20年のベテランのお巡りさんのお話です。
「自分の祖父の警察官姿の写真を見て憧れを抱き、警察官を目指すようになりました」
警察の仕事の中でも、刑事の仕事は何となく想像がつきますが、なかなか浮かばないのが交番に勤務のお巡りさんの仕事内容。よく自転車に乗っている姿を見かけたり、交番の前に立って道案内をしているイメージが強いです。
「主な仕事内容は、地域の安全を守るためのパトロールや取り締まり、地域のお店や各家庭を訪問して、詐欺や事件を未然に防ぐためにお話を聞いたり、110番通報があると出動します」
私たちが交番を訪れる理由で最も多いのが落し物です。「落し物で交番を利用される方が多く、一日で10件から15件くらい対応することもあります。落し物ひとつでも書類の作成や手続きがあるのでみなさんの想像より時間がかかります。忙しい日だと交番から出られないこともあります」
警察官になると、まず最初に配属されるのが交番で、その後は希望した部署に異動出来るといいます。なぜ交番勤務なのか、理由を伺いました。
「これまでに行きたい部署を経験したので、今後は子どもや家族との時間を作るためにも交番勤務を希望しました。交番の仕事は交代制で勤務時間が決まっているので、今までよりも家族と過ごす時間を確保できるようになりました」
次に、勤続2年のお巡りさんのお話です。
「警察官を目指したきっかけは、伯父さんが警察官でその姿に憧れたのと、この仕事は自分に合っていると思ったからです。また、少林寺拳法という武道を習っていたので、護身するという意味で仕事に活かせると思いました」
警察官になって初めて配属されたのがこの交番です。警察官のお仕事をしていて大変だと思ったことや、やりがいを感じたこととは。
「配属されたての頃は、わからないことがわからなかったです。仕事のやりがいを感じるのは立番(地域の安全を守ること)しているときや困っている人を助けたときにお礼を言われたときです。以前、自転車泥棒の被害にあった方がいて、その方に自転車が戻ってきたときに感謝されたことがありました。助けたときに『ありがとう』と言われると、警察官になってよかったなと思います」
現在交番勤務ですが、今後どんな部署に行きたいか、どんな仕事がしたいか、将来について聞きました。
「希望する部署は交通課です。最近多発している交通事故を未然に防ぐためにも、交通課でみなさんの安全を守りたいです」
最後に警察官を目指す子供たちへエールをいただきました。
「警察官になるための採用試験があるので、勉強することはもちろん大切ですが、警察の仕事は地域の方の存在や協力があって成り立つので、優しい心と人を思いやる気持ち、正義感があればきっとなれると思います。また、少林寺拳法が護身術に応用できるように、みなさんが今頑張っていることはのちに必ず活きてきます。何事にも一生懸命取り組む姿勢を忘れずに頑張ってください」
お巡りさんをはじめ、警察の方々は私たちが安心して暮らせる地域づくりをしています。警察官という町や人々に奉仕するお仕事、みなさんも目指してみませんか?
取材:松本裕希、斉藤真希、藤波茉由 |